私の居場所
本当は私の方も居心地の良さを感じて、温かいこの胸から離れたくないのかもしれない。
「ありがとな。園。」
私が抵抗しない事を言っているのだろう。
すっと離れていく福山さんの身体。
思わず反射的にうなづく私。
ちょっと寂しいかも。
「そろそろご両親が心配するといけない。明日は9時頃迎えに行く。園の車で出掛けよう。俺が運転していく。」
福山さんはバイクと自転車しか持っていない。
「分かりました。」
私は素っ気なく返事をすると、福山さんに見送られながら家に帰って行った。