私の居場所
これもここ数日でコーヒータイムに話した話題のひとつ。
「でも親がいるっていうのは何だか良いな。俺はそんなに親の記憶もないし、居なくて当たり前、その上自分の事で精一杯で生きて来たからな。園が羨ましい。」
こういう時の福山さんは切ない顔をする。
「でも福山さんも大変だったんでしょ?」
こんな時に気の利いた言葉なんて私には言えない。
本当はもっと優しい言葉を掛けてあげたいのに。
私の胸はきゅっと締め付けられる。
そんな様子の私にニコッと笑った福山さんは、自分のマグカップをテーブルに置くと、私に近づいてきた。
「ん?」
気が付くと、私は福山さんの大きな胸の中にすっぽりと包まれていた。
「こうやって温めてくれたらいい。」
静かな低い声の福山さん。
ちょっとびっくりしたけれど、福山さんが気の済むまでこのままでいよう。
身動きも出来なくて、私の頭の上で感じるのは福山さんの息遣い。