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けど、あたしだっていまの関係がいいとは思ってない。
(けど、断ち切れないのはあたしがまだ……)
そんなことを考えていたら、靴箱で後ろから声をかけられた。
「おはよう」
「おはよ、ちづる」
「誕生日おめでとう……ってなんかあった?
クマ出来てるよ」
「んー、ちょっと寝かせてもらえなくて…」
「あぁ…また?」
「ん……」
ちづるは小学生の頃からの唯一の親友で、
あたしの何もかもを知っている。
「私も断れないのなんかわかる気がする…」
「でしょう?」
「ただ…ね。」
ふと視線を感じて顔を上げると、
ちづるが深刻そうな顔で、あたしを見つめていた。
「みほにばれた時のこと考えると、ね…」
「あのバカな女なら気づかないでしょ。
それにあたしから奪ったのはあの女なんだからお互い様だよ」
「だといいけど……」