Nemesis=復讐の女神=
悠里ちゃんのその一言で、さっきまでモヤモヤとしていた気持ちが幾分か晴れた気がした。
「ありがとう」その言葉は、今までで何より嬉しかった。
「それでね……青龍の皆は私の代わりに結愛ちゃんが虐められてるって気づいてないの。」
その言葉に、ズキリと胸が傷む。
それはすなわち、みんな私のことを気にもしていないということだから。
「それでね……皆は、蓮との約束通り私をずっと守ってくれてるけど……今守られるべきなのは結愛ちゃんだよ!だから……「そんなことない!」」
気がつけば、悠里ちゃんの言葉に重ねてそう叫んでいた。
「皆は……約束だけで悠里ちゃんを守ってるわけじゃないよ…。守りたいから、守ってるんだよ。」
私の言葉に、悠里ちゃんは一瞬驚いたような顔をするとふと頬を緩めて
「ありがとう」
そう言った。
またしても、その言葉が嬉しい。