Nemesis=復讐の女神=
族全体に悠里ちゃんの紹介が終わったあと、幹部室に入った私達は蓮に「大事な話がある」ということでそれぞれの場所に腰掛けていた。
みんな心なしか、どこかソワソワとしている。
今まで一緒に過ごしてきて、蓮があんなことを言ったのは初めてだったから。
どんな話なんだろう……??
なんて頭の中で考えを巡らせていたら
─ガチャッ
ドアの開く音とともに、更に部屋の中に緊張感が増す。
蓮が悠里ちゃんの肩を抱えながら幹部室に入ると、真ん中に設置されている席に腰掛け
「─よし、みんな居るな?」
そう真剣な顔で口を開くと、私達はコクコクと頷く。
何だろう………もしかして、敵の族と全面戦争になりますとか!?
ドキドキと緊張しながら話を聞くと、蓮の話は私の予想を大きく覆す内容だった。
「悠里は、昔から見た目のせいで色々大変な目にあってきた。俺は、こいつを守りたいと思ってる。」
それは、悠里ちゃんが『青龍』の姫になった本当の理由だった。
確かに、悠里ちゃんは可愛いもんね……女子が嫉妬しちゃうのも納得だよ。
なんてウンウンと納得する私達に、蓮はふと表情を引き締めると