Calender_Girl



リワインド治療のような、内面的な方法を続けて行くと
すこしづつ、僕は現実に戻って行けるような実感を覚えていった。




パソコンで、彼女のホームページの記憶画像を見ても
もう、悲しみに暮れる事もなくなった。


むしろ、楽しかった思い出が
僕の力になってくれそうな、そんな気さえしてきた。


そう....想えばキミは、ここにいる。



そんな幻想さえ抱けるようになってきた。





それで今、この
想い出の泉に立っている。



あの頃の君に、会えるような気がして.....






夕暮れの泉は、鏡のように静か。


遠い落日を受け、金色に輝いている....


僕には、それが
彼女の美しかった長い髪の輝きのように思えて
光芒を見つめた。






ふわり....




光の中、彼女が微笑んでいる。


幻だろうか。




....いや、幻でも良い。こうして感じていられるのなら。





微笑みの彼女は、語りかけてくる。





「そう...わたしはいつも...こうしています。」






光芒は、やがて輝きを弱めて......









.....すっ....。



落日。光芒が消えて。

空はブルー・グレイに暮れようと。








「あ.....。」



水面から飛び立った蛍が、カーヴを描いて
ふわり、と空に往く.....。








ワタシハ、イツモ、ココニイマス.....






僕は、さっきの空耳?を反芻していた。











......8月15日。

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