偏食系男子のススメ【完】
案内された川端さんの2階の部屋は、いかにも彼女らしい部屋だった。
薄ピンクの壁にふわっふわの白いカーペット、ハート柄のカーテンと、お姫様みたいなでかいベッドの上にはぬいぐるみがたくさん置かれている。
うわあ、何か置いているのか甘い良い匂いもするし。
こんな少女趣味全開な部屋で生活してりゃそりゃーぶりぶり育つわー。知らんけど。
ミニテーブルにコーラが置かれ、私はそれを喉に通す。
川端さんはベッドに身を投げて、毛布を頭まで被っていた。死体みたい。
「――ゲホゴホッ、ガハッグエエエエ頭が割れるように痛いいいいいい」
「必死なとこ悪いけど、今更川端さんが病気で学校休んだとはもう思ってないから」
そんなんで私の気を引けると思ったら大間違いである。
わざとらしいにもほどがある。もしうちのクラスだったらセリフのない木の役にするのにも躊躇うレベルの大根役者ぶり。
「……で、きらり、明日の学祭にも来ないつもり?」
ちょっと川端さんに引いていれば、そんな彼女の奇行にも動じない翔くんが訊いてくれた。
この痒い部屋に慣れているのか、何の躊躇もなく川端さんの横たわるベッドに自然な風に腰掛けながら。
さすが幼馴染。頻繁にお互いの部屋を行き来しているのだろう。見てくれだけは良い二人だから、そこそこ絵になる。