偏食系男子のススメ【完】
「あ、ま、待ってよお、あーちんはきらりに学祭参加して欲しくないの!?」
「別にどっちでもいい、じゃ、コーラごちそうさま」
「え、や、あ、あーちんがどうしてもって言うなら、学祭一緒に回ってあげても、い、いいんだけどお?」
「遠慮しとく、無理しなくていい。お邪魔しました」
「……あーちんごめんなさいいいいい、きらりが悪かったです、学祭一緒に回ってくださいお願いしますうううううう」
部屋の扉に手をかけた途端、ベッドから飛び出した川端さんは私の前に正座して頭を下げた。
何この生き物。チョロすぎ。
「……大人しくしてるなら、保護者やってやってもいいけど」
「……あーてぃん好き」
「ウザい死ね。帰る」
どさくさに紛れて足首を掴んできた川端さんを踏みつけて、部屋を出る。
……あー、面倒くさい。結局私は何しに来たんだ。と、疑問ではあるけど、一応元通りになった気がする。
……放っておけば、このまま縁切れたかもしれないのに。
そうできなかった自分を認めたくなくて、なんか悔しい。……うわ、悔しい。悔しい。