オトナの恋を教えてください
グレーのベストとタータンチェックのタイトスカートという紫藤山商事の制服に着られている感の強い女。


「いーろは」


後ろから声をかけるといろはが小柄な身体をびくっと弾ませた。
ぶんと振り向くと首筋の後れ毛がふわっと軽く舞い上がる。
いろはは少し焦った顔をしていた。


「柏木さん……」


「どうした?……っておまえすごい荷物」


いろはの手には盆。
そして、うどんだか蕎麦だかの器が五つ積み重なっているじゃないか。


「松しげの器じゃん。なに?デー管は今日の昼、みんなで出前?」


「あ……そうなんですけど」


「とりあえず持つよ。受付のねーさんたちに渡すんだろ?」


「はぁ……ですが」


いろははなにやら歯切れが悪い。


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