オトナの恋を教えてください
ただ、気まずいのは消しようがない。

俺はいろはの頭に手のひらを置く。
ほんの一瞬ですぐに離すと言った。


「悪いけど、今日の夕食はキャンセルで。俺も少し頭冷やす」


いろはの表情が悲しみに歪みかけた。しかし、すぐに下唇をきゅっと噛み締める表情に変わる。
子どものような我慢の表情がものすごくいとおしく見えた。


「はい……失礼します」


いろはは俺の横をすり抜け、小走りにデータ管理のフロアへ向かって去っていった。





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