オトナの恋を教えてください
猫カフェは時間が早いこともあり、俺たちが最初の1組目だった。
猫のおやつ効果でいろはには猫が鈴なりになっている。
俺の膝にはいつもどおりノルウェージャンのよもぎが居座っている。

いや、全然いいんだけどね。俺の膝はずっとよもぎの指定席だし。


「仲良しですねぇ~」


いろはは猫に肩や頭にまで登られながら、ニコニコしている。


「まあ、付き合い長いから」


「羨ましいです」


「俺といろはの方がこれからもっと仲良くするじゃん」


自分で言って後悔した。
普段はいろはを焦らせる言葉が、今は自分の首を絞める。

赤くなって困るだろうと思ったのに、当のいろはは、想定外にも苦笑いするだけだ。


「あはは、まあそうなんですけど」


なんだよ、その顔。
言った俺の方が気まずい。

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