オトナの恋を教えてください
年配の厳しそうな家政婦さんは月曜に初めて会ったばかり。

柏木さんに送ってもらったあの日曜、母が緊急に手配したのだ。
彼女の仕事は私をこの家から出さないという一点のみ。

何を言っても取り付く島がなく、私はすごすごと自室に戻った。


いつも掃除や料理で来てくれる家政婦の谷村さんなら、私が高校時代からの付き合いだ。
仲もいいし、相談すれば事情をわかってくれるかもしれない。

だけど、あの鬼のようなおばあちゃん家政婦さんがいる限り、私の外出は叶いそうもない。


本日は水曜。

日曜から私はこの家に軟禁状態だ。


あの日、柏木さんと抱き合う姿を見られ、母に引き摺られて帰った。

軽率だった。

あんなカタチで母に裏切りの姿を見せたくはなかった。
きちんと順序を踏んで説明し、理解を求めたかったというのに。

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