オトナの恋を教えてください
柏木さんの笑顔はいつものイケメンスマイルだけど、瞳の真剣さが違った。

ああ、本気なんだ。

本当に本当に、私をお嫁さんにもらってもいい覚悟があるんだ。

嬉しくて涙が滲む。
鼻がつんと痛い。


「柏木さん。ううん、ハジメさん、ありがとう。大大大好き!私もハジメさんのご両親にご挨拶に行く!絶対行きます!」


「おう、そうしような。だけど、順序的にいろはのお母さんが先。大きい障害から越えて行こう」


パンプスを脱ぎ捨て、バッグを再び放り出し、私は彼の首に腕を回す。

覆いかぶさって、柏木さんにキスの雨を降らせる。

柏木さんは下から腕を伸ばし、私の髪を梳き、もう片手で腰を引き寄せた。


「遠距離中、やっぱ付き合わなくてよかったな」


甘いキスの合間に柏木さんが言った。


「なんでですか?」
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