オトナの恋を教えてください
「『男子が怖くてぇ』って言い張る女いるけど、たいていポーズなんだよね。男慣れしてないアピール?お嬢さん育ちアピール?……三条さんはそーいう下心アリ女よりタチ悪いよ。ホンモノのバカなんだから」


「本当に柏木さんのおっしゃるとおりで、私、バカなんだと思います。自分のこともわからず、男性に抱いて欲しいだなんて。身の程知らずでした」


「なんで……俺だけは大丈夫だったんだろうね」


柏木さんがぽつんと言う。
私はウーロン茶のグラスを弄んでいた手を膝に置く。

そういえばさっき、柏木さんに手をつかまれて歩いた時は普通に会話ができた。
肩を抱かれても恐怖感より安堵感が勝った。

私は柏木さんなら怖くないんだ。


「顔が好みだからかな」


柏木さんが答えを見つけたように呟く。
私はうんうんと頷いた。


「そうかもしれませんね!」


「三条さんね、そういうところが浅はかなんじゃない?嘘でも人間性を褒めるべきでしょうが。助けてくれた優しさで怖く感じなかった、とかさ」


本当にそのとおりだ。これじゃ、顔しか興味ありませんって言ってるようなもの。
私が喋るたび、底の浅さが露呈する。
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