オトナの恋を教えてください
俺はいろはの両手をとった。
小さい手。目立たないベージュピンクのネイル。
コーヒーを持っていた右手は冷たい。

並んで座り、両手を重ねあっている現状は、いろはには恐ろしく緊張感のある時間のようだ。

俺の様子を伺おうにも、顔を上げることすらできないでいる。

俺は構わず、いろはの右手に自らの左手を絡めた。
指同士を組み合わせ、ぎゅっと密着させる。
カップルつなぎを、向かい合った状態でしてみる。

反対の手も同じくつなぐ。

いろはが息を飲み、これまでにないほどに身体を硬直させた。


「柏木さん、離してください」


「なんで?俺たち、今は恋人同士でしょ?」


「はい……まったくもってそうなんでありますが……」


いろはは困惑と恐怖心からか、握り合う指先にギリギリと力を入れる。

これ、無意識?
い、痛いんですけど。
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