オトナの恋を教えてください
俺も逃すまいと力を入れる。

二人とも肩をいからせ、手を組み合わせ向かい合い、拮抗状態となる。
えーと、なんかこの状態って……。


「柏木さん!プロレスでよくある光景になっちゃってます!」


「わかってるなら力抜け!」


全然ムーディーな感じにならない。
いよいよもって、先が心配になってくるけれど、俺は根気強く諭すことにした。


「俺の言うとおりにしろ。まず、肩の力を抜け」


いろはがしゅんと肩を落とす。


「眉間のシワとれ。指の力抜け」


目はまだ伏せられたままだけど、いろはの眉間から二本のシワがなくなる。

指がぎしぎし軋んで痛い。
まだ緊張感伴う手を緩めたくて、言葉を重ねる。


「いろはの手、あったかいし柔らかいし、こうしてると俺は安心する。いろははどうだ?そんなに力入れなくてもいい」

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