オトナの恋を教えてください
美野里がぐわっと顔をしかめて言う。


「デートのたびに服を新調するな!お嬢が!」


うう……、すみません。
親に寄生して、稼いだお金を無闇に使ってすみません。




その日の定時後、仕事を早く切り上げた美野里が我が家に同行してくれた。

私はだいたい定時で帰れる職場だけど、営業企画の美野里はアシスタントだとしても定時であがるには努力と周囲への気配りが要る。
美野里の友情に感謝。

東横線代官山駅から徒歩5分。
10階建てのマンションの最上階に私と母の暮らす部屋がある。

玄関を開けると見慣れたパンプスが揃えられていた。

見慣れてはいるけれど、この時間にあるのはものすごく珍しい。


「お母さん?」


私は中に声をかける。
玄関を開ける音が聞こえていたのだろう。ちょうど、リビングから母が出てくるところだった。
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