課長の独占欲が強すぎです。

 やっぱり和泉さんは恐い。身体も大きいし力も強い、見据えられたら震えそうになるし、低い声だってドキリとする。

 けれど、それ以上に彼の気持ちが分からない事が恐い。

 半ば無理矢理とりつけた初めてのデートで、いきなりこんな所へ連れて来るなんて……身体が目当てだったんじゃないかと疑惑さえ湧く。

 強引にベタベタされたのも、私が好きなんじゃなく女の子なら誰でも良かったんじゃないかと。心に出来てしまった不信は頭を悲観的に傾けていく。

 和泉さんは俯いている私に手を伸ばすと、指先で顔に掛かっていた髪をそっと耳に掛けた。

 露になった横顔にじっと隣からの視線が浴びせられる。

「……無理もないな。今日は少し浮かれ過ぎたと自分でも思う。すまなかった」

 思いもよらなかった謝罪に、驚いて俯かせていた顔を上げ隣の和泉さんを見上げた。

「あの、そうじゃなくって……違うんです。今日は嬉しかったです。ちょっと強引だったけど、腕を組んだり甘えられたり。今日は今までで1番和泉さんを恐くないと思った日でした」

 キス以降はともかく、なんだかんだ彼の強引さに振り回された今日は楽しかったと思う。困ったもんだと焦りながらも、なんだかそれが嬉しくて。

 でも、だからこそ——

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