課長の独占欲が強すぎです。

「言葉足らずなのは自覚している。けど、お前の鈍感にも程がある」

 私が鈍感? いやまあちょっと鈍いかなとは自分でも今日気付いたけれど。でも、和泉さんの言葉足らずに比べたらそれは些細な問題だ絶対。

「だって、そもそも和泉さんいつから私をそんな風に見てたんですか? 先週、いっしょに牛乳飲んでる時に『よし、橘といっちょ遊ぶか』って思いついたようにしか私には思えません」

 ウサギのヌイグルミを力いっぱい抱きしめながら、鼻をグズグズ啜り上げて反撃する。また怒っちゃうかも知れないけれど、私の鈍感のせいにされたままじゃたまらない。

 こちらの反撃に和泉さんは実に苦々しい顔をした。今にも『チッ』という舌打ちが聞こえてきそう。

 そうしてしばらく何か言いたそうにこちらを睨むように見据えてから、そのままゆっくりと口を開いた。

「最初からずっとそういう目で見てたに決まってるだろうが。お前がうちの部署へ来た初日、俺の胸に兎みたいに飛び込んで来た時からずっと俺はこうなる日を望んでいた」

 ……ずっと……最初から?

 和泉さんの言葉に、私はキョトンと目をしばたいてしまう。だって……そんな前から? ウソでしょう?

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