課長の独占欲が強すぎです。
「こら、あからさまに『ウソでしょ』って顔をするな。これでも俺はずっとお前に好かれるよう努力してきたつもりだぞ」
「うっそー!?」
あ、いけない。声に出してしまった。つい躊躇無く言ってしまった私に、和泉さんがますます苦い顔をする。
「俺は東みたいに器用じゃないからな。女に誤解されて何かと恐がられるのも日常茶飯事だ。けど、お前には特別優しくして来たつもりだ」
そうは言われても、私が部署に来た時はすでに女性社員は私だけだったので、和泉さんが普段女の人にどんな風に接してたかなんて比べようも無い。
けれど、本人が言うならそうなのだろうか。
「海へ誘ったのだって急じゃない。ずっと考えてた、この日に必ずお前をデートに誘うと。予定まで調整していたんだぞ」
「そうなんですか? でもなんで今日?」
「今日は俺の32回めの誕生日だ」
「ええっ!?」
驚きの後、思わず笑ってしまいそうになるのを寸出で堪えた。だって、誕生日に初デートをなんて。
雄々しい見た目とは裏腹にロマンチックな計画を考えていた和泉さんに、やっぱりこの人可愛いとこあるなあ、と和んでしまいそうになる。