課長の独占欲が強すぎです。
「たださ、宍尾さんも災難だとは思うけど有栖川さんも可哀想だったんだよ。見るからにガリガリに痩せこけちゃってさ。元々華奢な人だったからもう見てらんないくらい弱っちゃって。……宍尾さんはきっと、そんな彼女を見て自分が追い詰めたって責任を感じたんだと思う」
東さんの話に、少しずつ私の中にあった疑問が解けていく。
いつかふと零した『華奢で壊れそうなものは触れるのが恐い』の言葉。……あれがきっと、和泉さんの心の傷なんだ。
有栖川さんを壊しかけた自分をずっと責めていたに違いない。深い心の傷になるまで。
すっかり言葉をなくして項垂れてしまった私に、東さんがポンポンと優しく頭を撫でてくれた。
「でもね、もう昔の事だよ橘さん。宍尾さん、今はすっかり立ち直ってると思うよ。だって今は橘さんと普通に付き合ってるんだから」
「え?」
「宍尾さんね、それ以来あんまり女性と深く関わらなくなっちゃったんだよ。女の人の……特にか弱そうな人とか華奢な子とかと接するの自信なくなっちゃったんだろうね。でも、今は橘さんと付き合ってる。もう吹っ切ってる証拠だと思うよ。むしろ、橘さんを好きになったから宍尾さんは立ち直れたのかもね」