課長の独占欲が強すぎです。
ようやく出来上がった料理をテーブルに並べ始めれば、和泉さんはすぐさま席に着く。本当にお腹を空かせた子供みたい。
「いただきます」と手を合わせれば、お皿に山盛りの八宝菜も鰹のサラダもみるみる消えていった。作った側としてはなんとも気持ちのいい光景だ。
そうして最後に茶碗蒸しとお味噌汁までペロリと平らげた和泉さんは手を合わせ、いつものように「美味かった」と褒めてくれる。
「それだけ綺麗に食べてくれるとほんと作り甲斐ありますよね。和泉さん、嫌いなものとか無いんですか?」
「無いな」
躊躇のない即答がなんとも和泉さんらしいと思いながら、私は食べ終えた食器を片付けた。
料理は好きじゃないけれど洗い物はちゃんと手伝ってくれる和泉さん。その辺はやっぱりちゃんとしてるんだなと感心するけれど、大きな手で薄いコップやお皿を拭いてるのを見てると割ってしまわないか心配になる。
サラダに使った硝子のお皿をスポンジで擦りながら、私はふと今日の事を思い出して口を開いた。