課長の独占欲が強すぎです。
今日は私が彼にくっついていたくて急遽決めたお泊りだけれど、変に嫉妬をさせてしまったせいか和泉さんの方が執着が強くなってしまったようだ。
「本当に一緒に入るんですか〜?」
「本当だ。いいからさっさと脱げ。嫌なら俺が剥く」
お風呂場の脱衣所で、いつまでもグズグズと服を脱がない私に既にすっぽんぽんになった和泉さんが裸に剥こうと手を掛ける。
「わ、分かりましたから! 自分で脱ぎますから剥かないで下さい!」
強制的に一緒にお風呂に入る事を命じられたものの、私は恥ずかしくてたまらない。エッチ以外で裸を見せ合うなんて、却って妙なやらしさを感じてしまうのだ。
隠すようにおずおずと服を脱いでいく私を、和泉さんが腕を組みジーっと真顔で眺めている。
「……そんな観察するような目で見るのはやめて下さい」
「気にするな。脱げ」
気にするなって言われても、一挙一動眺められてスイスイと脱げる訳が無い。
結局私たちは「早く脱げ」と「見ないで下さい」を何度も繰り返してから、ようやく浴場に入ったのだった。