課長の独占欲が強すぎです。
「和泉さん!!」
目に飛び込んで来たのは、すぐ側で痛みを堪えている和泉さんの顔。
階段から落ちる瞬間、和泉さんが私を抱きかかえ守ってくれたのだとようやく理解した。
「和泉さん! 和泉さん! しっかりして! どうしよう、和泉さんが死んじゃう!!」
踊り場の床に横たわった大きな身体にすがり付いて、私は半ばパニックになって叫ぶ。
「落着いて橘さん! そうだ、救急車!」
東さんが階段を駆け下りてきてポケットからスマホを取り出した時だった。
「いらん。救急車なんか呼ぶな」
「え?」
なんと、和泉さんがむっくりと起き出し、平然とした顔でスーツの埃をパンパンと払いながら立ち上がった。
私と東さんが信じられないようなものを見る目で唖然としていたのは言うまでも無い。