課長の独占欲が強すぎです。

「い……和泉さん……ケガは……?」

「たかが十段ちょっとの階段でケガなんかするか。俺はそんなにヤワじゃない」

 いやいやいや! ここ大理石だし! 怪我するには充分な高さだったと思うんですけど!

 恐るべき彼の頑丈さにただただ驚いていると、和泉さんは突然しゃがみ込んで、へたりこんだままの私の足を掴んだ。

「お前の方がケガしてるじゃないか」

 言われて見てみれば、ストッキングが伝線してくるぶしが少し擦りむいている。

「おい、東! やっぱり救急車を呼べ!」

「いえいえいえ! 大丈夫です! かすり傷ですから!!」

 私を庇って大理石に身体を打ちつけた自分は『ケガなんかするか』で、守られて足をすりむいた私に『救急車を呼べ』って……。

 彼の驚異的な丈夫さと過保護さを強烈に思い知らされる。

 和泉さんって……なんかもうとにかく凄い。

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