課長の独占欲が強すぎです。


 有栖川さんが部屋から出て行ったのを見届けると「俺たちも戻るか」と和泉さんが振り返って言った。

 けれど、私が立ち上がる前に東さんが言葉を挟む。

「おふたりは会場に戻らずこのまま直帰して下さい。部長も病院に行けって言ってたでしょう。得意先の相手は俺や他のやつらでしておきますから、任せておいて下さい」

 それもそうだ。無傷と軽症とは言え階段から転げ落ちた身でパーティーに戻って飲食してるのもどうかと思うし。

 和泉さんもそう考えたのか東さんに向かって素直に頷く。

「悪いな。後は頼んだぞ」

 そう告げると、和泉さんは今度は私の前にやって来て何故か背を向けてしゃがみこんだ。

「え? なんですか?」

「おぶされ。怪我をしてるんだからな。病院まで運んでやる」

「ええっ!? かすり傷ですよ! 自分で歩けます!」

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