課長の独占欲が強すぎです。

 過保護にも程がある。私はひたすら大丈夫だと主張し続けたけれど、和泉さんの過剰な庇護欲と愛にかなう訳もなく、最終的にはしぶしぶと大きな背に身を預ける事になった。

 恥ずかしさと呆れでぶすくれた顔をしておんぶされている私を見て、東さんがクスクスと笑う。

 そして、私と目が合うと眉尻を下げて微笑みかけてきた。

「俺が入り込む隙間なんか全然ないみたいだね。残念だけど、でも橘さんが泣いてる姿よりそうやってふたりでじゃれ合ってる姿を見るほうが俺嬉しいみたい」

「……東さん……」

 何度振られてもひたすらに優しい気持ちを捨てない東さんに、本当にいい人だなと私は胸を熱くさせていたと云うのに。

「何が入り込む隙間だ。そんなもん探すだけ無駄だ。とっとと諦めてお前もさっさと彼女でも作れ」

 和泉さんの独占欲は容赦ないようだ。

 東さんと苦笑いを零しあっていると、「じゃあな。後は頼んだぞ」と和泉さんは私を背負ったまま部屋から出て行き、そしてパーティー会場のホテルを後にした。

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