課長の独占欲が強すぎです。

 なんとも微妙な空気を保ったまま食事は終わり、私は空になったお弁当箱とついでに宍尾さんの器も一緒に洗うために給湯室へとやってきた。

 ジャブジャブと水を流しながら、あまり弾まなかった会話を思い出し、なんだか凝ってしまった肩をコキコキと竦める。

 別に嫌いではないんだけども、やっぱりあの大きすぎる体躯と鋭い眼差しを前にすると緊張してしまう。それが一対一なら尚更だ。

 ふう、とひとつ溜息を吐き出してから洗い終わった食器を片付け、お弁当箱を持ってフロアに戻る。

 すると、いつの間にか自動販売機に行って来たと思わしき宍尾さんが、私に向かって飲むヨーグルトの紙パックを差し出してきた。

「皿を片付けてもらった礼だ」

「別にあれぐらい、ついでですから……」

「いいから飲め」

 凄まじく命令口調なお礼を受け取り、「ありがとうございます」と述べてからパックにストローを刺す。

 隣では同じように宍尾さんが牛乳のパックを飲んでおり、何故だか私たちは並んで窓の外を見ながら乳飲料をすすると云う、不思議な状況になっていた。

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