課長の独占欲が強すぎです。
「宍尾課長は別に違うでしょ! あの人は意味分かんないけど私を海へ強制的に連れて行きたいだけで、もしかしたら釣りの餌にでもするつもりかも知れないし」
自分で言ってて馬鹿馬鹿しいとは思ったけれど、宍尾さんがカジキマグロに向かって私を投げ込む姿を想像したら、あまり違和感が無かったのであながち間違ってないかもしれない。
「宍尾課長の性格はあんまり知らないけど、一般的に考えたらGWに海へ誘うってデートだと思うんだけど」
「まさかあ。あの宍尾さんがデートってだけでも似合わないのに、しかも私を恋愛対象に見てるなんて有り得ないよ」
「それは小夏の偏見でしょ。で、どうするの? どっちと付き合うの?」
「どっちって……」
どっちも何も、付き合うかどうかを考えるのは東さんの方だけだ。それに、私の返事を待ってくれているのも東さんだけで、宍尾さんの方は覆らない決定事項に思える。
「海は断れないよ。行かないなんて言ったところで簀巻きにされて抱えられて行くだけだと思う。東主任の事は……どうしよう」
そこまで考えあぐねると、私の中に迷いが生じた。