課長の独占欲が強すぎです。
動物のショーなんて何年ぶりだろう。子供みたいなワクワクを抱いて見たイルカショーは予想以上に面白く、可愛いくて賢い動物の芸に私は目をキラキラさせながら感心しっ放しだった。
「わあ凄い、おりこう。イルカって賢いんですね」
飼育員の指示通りリングを連続で潜り抜けるイルカを座席から食い入るように眺めていたら、ふと頭に突き刺さるような視線を感じ顔を上げる。
すると、隣に座ってる和泉さんが何故だかイルカではなく私に注目してるではないか。
「……あの、和泉さん。どうしてこっち見てるんですか。イルカ観ましょうよ」
「喜んでるお前の方が見てて面白いからな」
どこか楽しそうな表情を浮かべそんな事を口走る彼に、私は頬を熱くしながら複雑な顔になってしまう。
「気にするな、お前はイルカを観ていろ」
そんなこと言われてもなあ。促されたので仕方なく前を向いたけれど、隣から降り注ぐ視線が気になってどうにもイルカに集中できなくなってしまったのは言うまでも無い。