星屑埋葬~赤ん坊の死~

いきなり、入口の板戸がひきあけられた。一応簡単な鍵がついているのだが、メグはそれをかけ忘れていたのだ。

「うるさいな。朝っぱらから赤ん坊を泣かせるな」

メグは蒲団の中で身を縮めたが、思いがけなく若い男なので、半身を床の上に起こし、

「すみません」

と特殊な声を出した。労働者風の、いかつい身体つきの男であった。寝癖のついた固そうな髪が滑稽だったし、寝起きの眼が腫れぼったくなっているが、メグの好きなテレビ俳優にどこか似ているような気がして、胸が波立ってきた。そういえば、テレビドラマに、こんなシーンがあったような気がする。


< 91 / 128 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop