【完】魅惑な藍の海の恋心色。
別に殴られてもよかった。
蹴られようが、髪を毟られようが。
どんな言葉も吐かれても、受け止めるつもりでいた。
……だけど、彼は許してくれない。
「なんでっ……なんで、その子を庇うのよ……っ! 海人!!」
わたしが逃げることも。
傷付くことも。
「三木、くん……。」
「ほんと……せんせいといると、ロクなことが無いな……。」
わたしの体を後ろから包む、三木くんの体。
走って来たのか、三木くんからは少し汗のにおい。
……ん?
〝走って〟、来た……?
「三木くんっ、足っ!!」
まだ捻挫は治ってないはずなのに!
「あー……平気だよ、もう治った。」
「治るわけないでしょっ、バカ! 全治3週間って言われたの知ってるんだから!」
しゃがみ込んで三木の左足に触れれば、やっぱりほんの少し腫れが酷くなってる気がする。