【完】魅惑な藍の海の恋心色。
「……疲れてるのかな、わたし。」
そう言えば最近、前に里佳子ちゃんを家に呼んで以来
まともに休んでない気がする。
だけどもうすぐ修学旅行だし、書かないとダメな書類とかいっぱいで、
休んでる暇なんてない。
……とりあえず、今はこの書類を終わらせないと。
それから急いで行けば、職員会議にも間に合うだろうし。
再び机と向き合って、空欄なそこを埋めていく。
窓からの風が気持ちいい。
もう夏になる日差しは少し暑いけど、わたしは夏が好きだから嫌じゃない。
「いっくぞー! 海人ー!」
ふと三木くんの名前を呼ぶ声が聞こえて、
わたしは視線だけを窓の外に向けた。
「雄大! おまえどこやってんだよ!」