【好きだから別れて】

・軽はずみな汚れ

嫌いだし合わない。


なのに心は埋らないし時間はもて余すし。


何より寂しくて、ズルイあたしはあれから真也と何度か会っていた。


「誘ってくるのは相手なんだ。あたしは悪くない」なんて無理矢理理由をつけて。


真也に会っても会っても会っても。


それでも悠希が頭から離れなくて…


全然こない電話。


くるはずのない電話を待っている自分がいた。


待ってたのに。


今も待ってるのに…


悠希はきっとかけてこない。


それでも


あたしは期待していたかったんだ…


これから先、悠希を越える恋などできるのだろうか?


悠希以外の誰かを愛せるのだろうか?


――なんかイラつく


自分で自分に問いただしていたら段々イライラしてきた。


ストレスになるとやってしまう悪いあの癖。


周りにある物をつかんではそこらに投げつけ、破壊しまくる。


パリン。


グシャッ。


ベリッ。


形あったあんなに綺麗な物達が破壊音と共にこっぱ微塵になっていく。


愛が壊れたあたし達のように…


懸命に考えても考えても答えなんか出やしない。


いつも隣にいた悠希がもう隣にいないのだから。


ムシャクシャな思いを物にぶつけ考えてる。


と、その時だった。
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