【好きだから別れて】
【第五章】
悠希


あなたのプロポーズ。


最初で最後のプロポーズ。


あの夏に受けたかったよ…


どうして別れたの?


あたしを嫌いになって別れたんじゃないの?


馬鹿女だから…


あたし馬鹿女だからあなたをずっと待てばよかったのにね。


そしたらあなたとの未来は約束されてた?


あなたはずっと側で微笑んでくれてた?


あたしとの愛を貫き通せた?


悠希


夢にあなたが出てくる日があるんだよ。


あなたと行ったあの夏の海でさ、まったく同じ事を再生するんだ。


よっぽど幸せだったのかな?


でも夢の途中でなぜかあの日の空に悠希は吸い込まれちゃうんだ。


あたしの前から消えちゃうの。


目が覚めると涙を流しながら手を伸ばしてる。


その日は1日が長く感じちゃうんだ。


気持ちがズンと沈むだよ。


夢は夢じゃなく、あなたを連れ去ってしまったね…
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