極上ドクターの甘い求愛



やっぱり、先生と私じゃ生きてる世界が違うんだと思った。

私はこんな静かなレストランなんて行ったことない。行ったことがあるのは近所のファミレスとか大衆食堂とかラーメン屋さんとかファストフード店とか、いつもガヤガヤしててうるさいところばかり。

お酒1杯飲むのに2000円は飛んじゃう様なお店に行ったことなんてないんだから。


「先生、あの…っ」

『ん?』

「お代はいくらですか?私、今あんまり手持ちで持ってなくて――ッ」


急に不安になってきた。

お酒1杯で2000円なら、私が頼んだメニューは一体何円するのだろうか。聞きたくないけど、自分のお金事情は把握しておかないと。


『いいよ、ここは俺のおごり。』

「でも…っ」

『元々は俺が誘ったんだから、素直におごられなよ?ね?』

「・・・っ」


金持ちってこんなに羽振りがいいものなのだろうか。

私からお金を受け取る気はないと断言する目の前の岩崎先生に深々とお礼を言った。



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