極上ドクターの甘い求愛
「じゃ、私はこれで――」
『繭ちゃん。』
「、はい…?」
シートベルトを外してドアを開けようとドアノブに触れた時、いつもの軽快なトーンではなく私を呼び止める岩崎先生の声に一瞬心がドキリとする。
『――好きだよ。』
「え……っ?」
熱い瞳で見つめられて、私は固まる。
好きって――
たったの2文字なのに、何を言われたのか頭が付いていけない。
『今日はまだ、言ってなかったなと思って。』
「えっ、あ…っ」
笑顔の先生に言われて気付く。
そういえば…毎日毎日先生は私に好きって言ってた――かも。
あまりにも普段の岩崎先生から告げられる"好き"は花弁一枚よりも軽く感じられて、どんなに重ねられても重さを感じない。
恋愛初心者の私に、そんな改まって好きと言われても…、私はどんな顔をすればいいのか分からなかった。
『じゃ、お礼楽しみにしてるから。また明日。』
「はっ、はい…!」
ベンツから降りると、爽やか笑顔を向けた先生は颯爽とベンツを運転してこの場から去っていった――。