極上ドクターの甘い求愛
――『繭ちゃん!俺に渡すものあるよねっ?』
岩崎先生と初めて食事に連れて行ってもらってから3日が経った。
未だあの時のお礼をできていない私のところに毎日ヒマができればやってくる岩崎先生は必ず私にお礼を急かしてくる。
…いい加減しつこいんですけど。
今は昼休憩中。私は1人で職員用の食堂でズルズルと丸天うどんを食べていた――はずだった。いつの間にか私の隣にやってきた岩崎先生は目をランランとさせながら購買で買ったのだろうカップラーメンを食べている。
「…昨日も言ったじゃないですか。この前のお礼は来週させていただきますって。」
『え~?来週なんて待ちきれないんだけどーっ』
駄々をこねるようにブーブー言う隣の岩崎先生を半分無視する。
全力で相手をしたら午後の仕事に支障をきたすことくらい、先生に付きまとわれた半年の中で心得ていた。
「無理です。今週は忙しいので。」
『せめてお礼の内容くらい教えてくんない?』
「――嫌、です。」
なんでぇーっと長い足をドタバタさせる岩崎先生が大きな子供に見えてくる。
あーもう、ウザい。お礼するって言ってるんだから、黙って待ってればいいものを。
「あの、ご飯の邪魔するんでしたらあっち行ってください。」
『しないしない!しないから横で食べていいよね?』
……よね?って既にもう食べてんじゃん。