極上ドクターの甘い求愛
――『繭ちゃん!!』
その時、遠くからかかった聞き覚えのある凛とした私を呼ぶ声に、顔を上げた。
病院の正面玄関に目を向けると、手術着を着たままの岩崎先生が、全速力でこちらに走ってきていた。
「っ……いわ、さき…先生…っ?」
岩崎先生の姿を見た時、私は何か、夢でも見ているんじゃないかと思った。
心のどこかで求めていた先生が、私に会いに走ってきていることが、心の底から嬉しくて。
「どうして…?」
『さっき…っ、室井からナースステーションでの事聞いて…、繭ちゃんが外に出て行ったって聞いて――っ』
それで、わざわざ来てくれたの?
岩崎先生を前にして固まる私とは対照的に、岩崎先生は息を弾ませてここに来た経緯を教えてくれた。
まだ業務中なのに。これから、また仕事もあるはずなのに。
それなのに、私を気にしてくれて、それで――?
「せんせっ――」
ガツッ!
『っ!!』
「ッ!?……日野く――っ」
息を整えている先生に近づこうとベンチから立っていると、隣に座っていたはずの日野くんが突然岩崎先生に近づいた瞬間、固く握られた拳を岩崎先生に振りかざした。