極上ドクターの甘い求愛
先生を頼りないなんて、思ったことない。
寧ろ、先生に相談すればきっとあの事態を早く収拾させてくれるだろうと、分かってた。
『違うの?』
ゆっくりと、でもしっかりと先生の問いかけに首を縦に振る。
先生が悪いんじゃないと、どうしても伝えたかった。
『だったら、何で?何も言ってくれなかったの。』
「………」
『答えて、繭ちゃん。』
私の手を握る先生の力が、少し強くなった気がした。
このまま私の思いを自分の心の中だけに押さえておけば、心優しい先生は自分のことを責めてしまうかもしれない。こうなってしまったのは全て自分のせいだと、要らない責任感を背負ってしまうかもしれない。
何も責任を感じることはない先生が、そんな想いをこれからずっと抱え続けていくことのほうが、私にとってはよっぽど辛いことだった。
それならいっそ、この心の内を言ってしまったほうが――…
「…迷惑がかかると、思ったんです。先生に、迷惑がかかると。」
そう思った瞬間、無意識に唇が動いていた。
私は先生を、傷つけたくない。――その一心で。