極上ドクターの甘い求愛
「?何です?」
いきなり何のことだろうか。
岩崎先生って本当に行動が読めない。そういったところがミステリアスすぎて反応に困る。仕事以外で頭使いたくないのに。
『んもう、分かってないなぁ~。俺、これからオペ3つ入ってんだよね。』
「た、大変ですね…?」
だから何?
オペ3つはさすがに多いと思う。それをいつも余裕でこなしちゃうんだから、岩崎先生は皆に消化器外科のエースだって言われるんだろうな。
『オペが終わったら俺…もうヘトヘトで疲労困憊。ね?分かるでしょ?』
「・・・あ。」
"疲労困憊"
その言葉を聞いて思い出す。数日前に、疲れには糖分だと言って先生にチョコレートをあげたことを。
もしかして…チョコよこせって?
「そんなにお気に召したんでしたら、購買にも売ってますけど…。」
『ありがとー!』
前みたいにポケットから出したチョコレートは、たやすく先生の手に渡って、先生の白衣のポケットの中に収まった。