極上ドクターの甘い求愛



『繭ちゃん、これからご飯どう?』


階段を下りるペースを上げてもどこまでも付いてくる岩崎先生にはもう慣れた。

……これからって…もう昼の3時なのに。

まぁ、外科の先生は忙しくて規則的に昼食を摂れないのは分かるんだけど。


「私はもう済ませましたから、お一人でどうぞ。」

『えー?寂しいんだけどなぁ。』

「イイ大人がそんなことで拗ねないでください。」


だって繭ちゃんがツレないからだもん…、と言って口をとがらせる岩崎先生に冷たい目線を向けてあげる。

30前で何その顔…。きっとこんな可愛げに拗ねることができるのはこの世で岩崎先生だけだと思った。この顔じゃなかったらキモいだけだし。


『じゃあ夜は?繭ちゃん、今日早出だろ?』

「…何で私のシフトをご存じなんですか?――遠慮させていただきます。」


毎回、岩崎先生の情報網には驚かされる。

いつも私のシフトは把握してるし、どこから仕入れたのか私の個人情報も網羅してるし、一番驚いたのは岩崎先生が私の連絡先を手に入れた時だ。

アドレスなんて教えていないのに岩崎先生から送られてきたメールにはだいぶ驚かされた。



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