極上ドクターの甘い求愛
卵焼きを作り終えた私は、続いて金平ごぼう、レンコンの甘辛炒め、アスパラの肉巻き、焼きウインナーを作った。…ちなみに、ウインナーはタコさん。
――うん、これだけ作ればいいでしょ。あとは、煮込んだ肉じゃがを詰めればいいよね。
今日買ったばかりの新品の黒のお弁当箱におかずを詰めていると、タイミングよく炊飯ジャーのご飯が炊けた音がキッチンに鳴り響いた。
このお弁当、ご飯入らないんだから不便だなー。もうちょっと他にいいのはなかったの?まぁ、安物だったし別にいいけどさー。
小さな不満を心に吐き出しつつも、炊飯ジャーのフタを開けると、白米が炊けた良い香りが頬を掠めた。
「……ぁちっ」
やっぱり炊き立てのご飯は火傷しそうなくらい熱い。けれど、それを我慢しておにぎりにする量の分だけご飯をボールに移していく。
混ぜ込みご飯のふりかけをご飯にふりかけて混ぜたら、ラップで混ぜ込みご飯をおにぎりにしていく。
『……繭ちゃん、できたー?』
「まだです。本当にもうすぐで出来上がるので、適当に寛いでて結構ですよ。」
2つ目のおにぎりを握っていると、髪を乾かし終えたらしい岩崎先生がまたキッチンに戻ってきた。
私の隣にやってきた先生はマジマジと私のおにぎりを握っている手を見ていて、なんだかいたたまれなくなる。
『そうー?…あ、これ俺のお弁当――』
「あっ!駄目です、先生!」
『えっ?』
すぐ近くにあったおかずを冷ますために置きっぱなしにしていたお弁当の存在に気付いた先生が、お弁当に近づこうとするのを咄嗟に呼び止める。