労苦
 そして言った。


「梶間さん、いいんですか?」


「ああ。……一課でもいろんな案件がある。下手に目の前の事件に飛びつくのは危険だ」


 そう言い、立ち上げていたパソコンに向かって、キーを叩き始める。


 つい最近任されていた、新規のデータベース作成をするのだ。 


 普段いろんな苦労がある。


 俺自身、派手な立ち回りをすることは滅多にない。


 事件があれば、仲間の刑事や上層部と協議して、解決へ導く。
 

 稀に抜け駆けすることもあったのだが……。


 いつも一課はピリピリしている。


 ここ数年、仕事が増えた。


 滅多にニュースなど見ない人間でも、社会が物騒になっているのが分かる。


 本来なら、新聞ぐらい読んだ方がいいのだが、それさえも間々ならなくなった。
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