労苦
第46章
     46
 その日も所轄の帳場で前田と話をした後、午後6時には署を出て、警視庁へと戻った。


 何とも例えようのない事件である。


 被害者である三原が殺害されて、時が経った。


 俺たち警察は必死に捜査をしている。


 だが、犯人は逃亡していた。


 必ず捕まえてやる。


 そう念じていた。


 掛け声倒れで終わらないよう、他の捜査員たちとも連携するつもりでいる。


 殺人という陰惨な刑事事件だから、刑事たちも皆、引き締まった。


 その日帰庁し、一課のフロア内で残務をこなしてから、午後10時を回る頃、自宅マンションへと戻る。


 晴海が出迎え、また夫婦揃って遅い夕食を取った。


 入浴した後、午前零時には眠り、翌日土曜も午前7時には起き出す。



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