労苦
 どうとでもなる。


 そう思い、橋村と隣り合ったデスクで、淡々と仕事を始めた。


 気温が上がると、疲れる。


 まだ五月だというのに、都内は蒸し暑い。


 昼になり、食堂で食事を取った。


 そして午後は南新宿の現場に行かずに、一課のフロアに待機する。


 そういった対処法もあるのだ。


 あえて避けるという。


 吉村一課長や理事官など、上の人間たちは詰めている捜査員の方に絶えず目を向けていた。


 神宗会が新宿の街で暴れ回ったら、大変なことになる。


 恐ろしかった。


 暴力団の活動自体。




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