東堂くんは喋らない。
「違うから」
突然頭上から降ってきた声に、背筋が凍った。
おそるおそる顔をあげると、
と、と、
「東堂くん…や、やっほー」
ジロリ、東堂くんの冷えた視線が突き刺さる。
「…勝手な妄想で盛り上がんないでくれる?」
そして固まる私に背を向けると、あっという間に教室を出ていった。
…どうしよう…!
「…お、怒ってたよね、今」
「激怒してたね」
冷静にこの状況を分析してる柑奈。
もう元はといえば柑奈がー!
「わたし、追いかける!」