新選組へ ~ 連理之枝 ~
「お琴、鈍くさそうだな?」

「そんなこと・・・」クネ

真面目に、転けるとこだった
しっかり受け止められた

「ありがとうございます」

すっごく小さい声で言った


「はっはっはっはっ!やっぱり!」

「たまたまです」

俯いた

なんか、調子狂う

「料理とか、危ねぇな!クククッ」

「料理くらいできます!」

めちゃくちゃ、ムキになってしまった
ぷいっとそっぽ向いて歩く

「お琴?怒ってても、手は離さないんだ?」

顔を除き込まれて
バッと手を離す

「/////」

「あはははははは!!!おもしれぇ!!」

しゃがんで、腹を抱えて笑う

なんだよ、この人・・・

佐々木さんより、扱いにくい

桝屋さんを見下ろして、顔に手を当てた

「馬にでも蹴られればいいのに・・・」

ハッ!!呟いた後、口に手をやる

しまった・・・

気が緩んだ・・・

屯所では、こんなことないのに

監察されてんのに


「ぶはっ!口悪ぃ!あはははははは!!」


立ち上がってもなお、笑い続ける


「笑わないで下さい!!」


ムッとして言うけど、やめてくれない

急に左手を上げたから、ビクッとした

「俺が怖いか?」

優しく頭に、上げた左手がのる

「怖くないです・・・けど
バカにしてるでしょう?」

桝屋さんを見上げ、顔を見ると

太陽のように笑い

「してる」

「もう!!」 パシッ

叩いてやろうとしたけど、あっさり手を握られ

「さぁ、行こう」

と・・・うどん屋に引っ張られた

「料理できるっていってるのに・・・」

「はいはい!
ケガの手当てとか、いやだからな!」


まったく信じてないらしい

桝屋さんは、多分追尾に気づいたんだ

俺をからかって、足を止める

まわりのものも足が止まってた

それに気づいたから、ここに入ったんだ


名前は違うけど、怪しいな・・・




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