新選組へ ~ 連理之枝 ~



「きぃさん?少しお話ししない?」

「いいぞ」

「お仕事が落ち着いたら、故郷に連れて行ってくれる話
楽しみにしてるから
だから、私のそばにいて下さい!」

「琴・・・
お前ほど得難い宝は、ない
琴が、ついてくるなら田舎暮らしも
悪くないな!」

「きぃさん、私は・・・きぃさんを」

「琴、俺はお前に惚れてる!
俺が守るから!何も言うな!」

優しく両手で、俺の頬を包み

口づけをしてくる


正直、きぃさんが好きなのか

慶喜と重なって見えるから、好きなのか

わからない


ただ、きぃさんを手放したくない

きぃさんとなら、普通に生きて行ける

何も飾らずに

このままでいい


何の涙かわからないけど

無性に泣きたくて

きぃさんにしがみつく

優しく背中をトントンされるうちに

眠ってしまった










〝夏弥は、将軍の器だ〟



〝邪魔だ・・・夏弥、消えろ〟



〝夏弥…今日から春歩だ!
春歩として、男として生きるのだ!!〟



〝 誠、無理して笑わなくていいよ
泣きたいときはさ、泣きなよ
俺、一緒に泣いたげる 〟



〝春歩、消えろ!〟


〝 いいか…誠
俺たちは、家族だ
1人もかけてはいかん
新選組は、誠の家族だ
忘れてはいけないよ? 〟




ガバッ



夢? ・・・違う

思い出した



俺は・・・
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