新選組へ ~ 連理之枝 ~
優しさと切なさを知る
【土方】


はぁ~


昨日、誠と出会ってから、調子狂ってる
どう見たって、普通の家で生まれてねぇ

優雅ってか、大人びてるってか
ガキのクセに、全く顔に表情がない

昨夜は、寝るか寝ないかの探り合いして
結局、誠…ほとんど寝なかった

なのに、飯炊きや洗濯、掃除……

気を張りすぎだろ!!

山南さんからの本で、少し落ち着いたけど



それに、湯呑みの音で空だとわかったり


はあ



多分、俺といると気を使うから、部屋を出ようとしたんだろうな

昨日も、星を見てたらしいし



「お茶をお持ち致しました」

「おう」

スーッ


ほら、襖の開け閉め……

こんなの、どこかの殿様がいる屋敷でしか
見たことねぇ

「誠…ここは、お前の部屋でもある
気楽にしろよ!」

「はい」

布団に入り、こちらをチラッと見る

さみしいんだろうな

「俺は、徹夜だ!誠が起きたとき、寝てたら起こせよ?」

「はい」

「誠!そういやお前、いくつだ?」
「今度17です」

机から、誠へ向き直った

「うぇ?そっ……そうか」

「皆さんが思ってるような、子供ではありません
嬉しかったですけどね
お休みなさい」

スースー言い出す
寝てないだろうけど、誠の頭を撫でて

仕事に取り掛かった



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